更新日 2025年07月31日

動物性脂肪のとり過ぎなど、食生活の欧米化に伴い増加傾向にあるのが大腸がんです。
女性におけるがんによる死亡率は第1位であり、がん全体の罹患率でも1位です。
早期であれば根治が期待できるため、検診による早期発見が重要です。
大腸がんとは
大腸がんは大腸のどこにでも発生する恐れはありますが、s状結腸と直腸の発生が6割を占めています。
良性の腫瘍(腺腫)が悪性化するものと、正常な粘膜から直接がん細胞が発生するものがあります。
症状
排便に関する症状が多く、もっともよくみられるのは血便です。痔による出血と勘違いして放置するケースがありますが、かんたんには判断できませんので、自己判断せずに医師に相談することが大切です。このほか、便秘と下痢をくり返したり、残便感、便が細くなる、おなかが張る、腹痛などの症状もみられます。がんの発生場所によっては、症状が出にくくなる場合もあります。
原因
消化管である大腸は食べ物の影響を受けやすく、大腸がんは動物性脂肪やたんぱく質のとり過ぎが原因といわれています。肉食中心の高脂肪食へのシフトなど、いわゆる食生活の欧米化が、大腸がんが増加傾向を示す原因と考えられています。
検査方法
市区町村で実施される大腸がん検診で行われるのは、便中の血液の有無を調べる「便潜血検査」です。大腸にがんやポリープがあると、目で見てもわからないレベルの微量な出血が生じるため、検査で出血の痕跡を調べます。
この検査で陽性の場合は、精密検査として、がんそのものの有無を確かめる「大腸内視鏡検査」などが行われます。近年は、CT画像情報から仮想内視鏡画像を作製する「CTコロノグラフィー」という検査が行われることもあります。内視鏡検査より身体への負担は軽度です。
治療方法
「手術療法(外科療法)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤治療)」等を組み合わせながら行います。手術治療では、早期であれば、開腹をせずダメージの少ない内視鏡による切除や、場所によって腹腔鏡を使用しての腹腔鏡下手術も行われます。
肛門に近い部分の進行がんでは、がんと一緒に肛門を切除することもあり、その場合は人工肛門をつくることで、排泄を行えるようにします。
※治療の方法や内容等については、主治医とよくご相談ください。